日本学術振興会
人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業
一橋大学経済研究所

工業統計調査

概要

日本国内の工業の実態を明らかにし、産業政策、中小企業政策など、国や都道府県などの地方公共団体の行政施策のための基礎資料を得るとともに、経済センサス-活動調査の中間における経済構造統計を作成することを目的としている。
参考:経済産業省の工業統計調査ウェブサイト

各調査

西暦 和暦 調査 備考
1909年 明治42年 明治42年工場統計 調査票を配布する形式の最初の工業統計。この時は5年に一度行うという形であった。
調査員による調査記入方式ではなく、工場主本人の記入方式を採用している。
(参考:「工場統計報告規則」
1914年 大正3年 大正3年工場統計  
1919年 大正8年 大正8年工場統計 調査票が変更された。この年以降原則毎年調査が行われることとなった。
1920年 大正9年 大正9年工場統計 調査規則が改正され、5年毎ではなく毎年調査が行われるよう規定された。
1921年 大正10年 大正10年工場統計 使用する職工の数に関係なく「原動機を使用する工場」などが調査対象に加わり、調査対象が広がった。
1922年 大正11年 大正11年工場統計 調査範囲に「電動機を使用する工場」が加わった。
1923年 大正12~14年 大正12~14年工場統計 規則が全部改正され、調査範囲が"常時"1日5人以上の職工を使用する工場に変更となった。
1926年 昭和元~3年 昭和元~3年工場統計 農商務省が解体し、商工省が設立され、商工省管轄の調査となった。
1929年 昭和4~13年 昭和4~13年工場調査 資源調査法が制定され、資源調査法に基づく調査となる。調査項目が多くなり、甲乙合わせて調査票が全10種類と非常に複雑化する。
1939年 昭和14~17年 昭和14~17年工業調査 工"業"調査と名称が変更される。職工5人未満の工場も調査対象に含め、すべての工場が調査対象になる。
1943年 昭和18~19年 昭和18~19年工業調査 商工省の大部分が軍需省になる。調査は実施されたが、戦争による資料紛失等のため、集計は行われなかった。
1945年 昭和20年 昭和20年工業調査 終戦により軍需省が商工省に戻る。戦争の影響により、集計、公表された統計表は少ない。
1946年 昭和21年 昭和21年工業調査 GHQの指導により調査票など調査の設計が変更された。
1947年 昭和22年 昭和22年工業調査 統計法に基づく指定統計第10号とされた。
1948年 昭和23年 昭和23年工業統計調査 統計法に基づく統計調査として新たに工業統計調査と名前を変えた。1949年に制定される日本標準産業分類の「仮案」に基づく産業分類を使用し、調査の対象も「仮案」における「製造業」の事業所とされた。調査の範囲を前回までと比較すると、製品を作っていても、消費者に直接小売する事業所、修理を主とする事業所、電気、ガスの事業所は除外されたが、屠殺業、出版業の事業所が含まれることとなった。また、職工の人数によって調査票甲と乙に分かれていたが統一された。
1949年 昭和24年 昭和24年工業統計調査 昭和24年5月、商工省が改組され通商産業省ができる。再び調査票が甲と乙に分かれたが、事業所規模によって使い分けるのではなく、全事業所が調査票甲2部、乙1部を記入する、甲乙合わせて1式となるものであった。(甲1部は通商産業省、もう1部は都道府県、乙は市区町村が保管。)
1950年 昭和25年 昭和25年工業センサス 「1950年世界鉱工業センサス」の一環として行われ、名称を「昭和25年工業センサス」とし、「製造業」の事業所のみならず、製造問屋、製造小売業、副業内職として製造加工を行う世帯、自転車の仕入販売修理を行う傍ら新車の組立販売を行う自転車屋についても調査した。主に従業者4人以上の事業所を対象とする自計式の「基本調査」と、主に従業者3人以下の事業所を対象とする他計式の「小事業調査」に分けて行われた。
1951年 昭和26~28年 昭和26~28年工業統計調査 2020年現在まで改正しながら存続している工業統計調査規則ができ、調査の範囲が日本標準産業分類における「製造業」の属する事業所と定められる。
1954年 昭和29年 昭和29年工業統計調査 「基本調査」を「甲調査」、「小事業調査」を「乙調査」とし、乙調査も事業主による自計式の調査になった。
1955年 昭和30年 昭和30年工業統計調査 後の丙調査にあたる「製造工場を経営する企業の本社又は本店に関する調査」、自動車保有台数についての甲調査の附帯調査を承認統計として行った。
1956年 昭和31~33年 昭和31~33年工業統計調査 前年の「製造工場を経営する企業の本社又は本店に関する調査」を基に「丙調査」ができる。
1959年 昭和34~35年 昭和34~35年工業統計調査 調査項目の一部改正と、準備調査名簿を1部多く作成し、都道府県も保存しておくようになった。
1961年 昭和36~37年 昭和36~37年工業統計調査 調査項目の改正があった。
1963年 昭和38年 昭和38年工業統計調査 甲調査の対象を従業者数10人以上、乙調査の対象を従業者数9人以下と変更した。昭和38年に限り、サービス業の自動車修理業も調査対象とした。
1964年 昭和39年 昭和39年工業統計調査 前年の調査範囲の特例を廃止し、製造業の事業のみが対象に戻った。
1965年 昭和40~42年 昭和40~42年工業統計調査 甲調査の対象を従業者数20人以上、乙調査の対象を従業者数19人以下と変更した。
1968年 昭和43~45年 昭和43~45年工業統計調査 丙調査の範囲について、「事業所二以上を経営する企業の本社または本店」から「本社または本店と異なる場所に事業所一以上を有する企業の本社または本店」と表現が変更された。
1971年 昭和46~49年 昭和46~49年工業統計調査 これまで鉱業法の適用を受ける事業所については、市町村ではなく通商産業局に調査票を提出することとなっていたが、昭和46年からは調査票の提出先が市町村に一本化された。
1975年 昭和50年 昭和50年工業統計調査 微改正のみ。
1976年 昭和51~52年 昭和51~52年工業統計調査 甲調査の対象を従業者数30人以上、乙調査の対象を従業者数29人以下と変更した。
1978年 昭和53~54年 昭和53~54年工業統計調査 調査票乙の提出枚数が2部から1部に減らされた。
1980年 昭和55年 昭和55年工業統計調査 調査票甲、丙についても乙と同じく1部のみの提出に変更された。
1981年 昭和56~57年 昭和56~57年工業統計調査 乙調査のうち、従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査となった。昭和56年以降、完全な全製造業事業所の調査は2,3年に1度となる。
1983年 昭和58年 昭和58年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。
1984年 昭和59年 昭和59年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
1985年 昭和60年 昭和60年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。これまで本社、本店に対して行っていた丙調査は行わなくなった。
1986年 昭和61年 昭和61年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
1987年 昭和62年 昭和62年工業統計調査 丙調査が従業者50人以上、資本金1000万円以上の企業を対象とする調査(企業多角化調査)に変更され行われた。乙調査は従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
1988年 昭和63年 昭和63年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。丙調査は行われなかった。
1989年 平成元年 平成元年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
1990年 平成2年 平成2年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。丙調査は廃止された。(規則上廃止されるのは平成4年調査からだが、平成2年、3年は丙調査は行われなかった。)
1991年 平成3年 平成3年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。雲仙普賢岳の噴火災害により、長崎県の島原市及び深江町は調査範囲から外された。
1992年 平成4年 平成4年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
1993年 平成5年 平成5年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。
1994年 平成6年 平成6年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
1995年 平成7年 平成7年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。
1996年 平成8~9年 平成8~9年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
1998年 平成10年 平成10年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。
1999年 平成11年 平成11年工業統計調査 従業者3人以下の事業所については規則に定める一部の業種のみの調査。
2000年 平成12年 平成12年工業統計調査 従業者数に関わらず製造業の全業種の事業所を調査する全数調査。平成13年1月の中央省庁再編により通商産業省は経済産業省に名称変更され、調査票の回収、集計は経済産業省によって行われた。

以後は経済産業省ウェブサイトを参照

census-survey/b005.html